2025年09月02日
Q:入院している母が遺言書を作成したいと言っています。病床でも作成できるのか司法書士の先生教えてください(四日市)
四日市に暮らす40代の女性です。
私の母が現在市内の病院に入院し治療を続けています。
意識は明瞭ですが、体調は思わしくなく、担当医からも心の準備をするよう助言を受けております。
そんな中、母が「遺言を残しておきたい」と話し始めました。母はかつて商売をしていたこともあり、亡くなった後に家族が揉めるのではないかと気にしているようです。相続人は私と姉の2人になりますが、母としては円滑に財産を承継させたいようです。ただ、病院にいるため専門家に直接会いに行くことが難しい状況です。このような環境でも、母に遺言書を作成してもらうことはできるのでしょうか。(四日市)
A:お母様の判断力が保たれているのであれば、入院中でも遺言書の作成は可能です。
まず考えられるのは、自筆証書遺言の作成です。たとえ病床であっても、内容を理解し、自ら遺言の本文・日付・署名を記し、押印できる状態であればすぐにでも作成可能です。さらに、財産目録については必ずしも自書でなくとも構いません。ご家族がパソコンで一覧を作成したり、預金通帳の写しを添付したりする方法も認められています。
一方で、体調の関係から全文を自書するのが難しい場合には、公正証書遺言という方法があります。これは公証人が病室まで出向き、証人立会いのもとで作成を行うものです。公正証書遺言の大きな利点は、
- 原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がない
- 自筆証書遺言と違い、家庭裁判所での検認手続きが不要
といった点にあります。
なお、2020年7月10日施行の「法務局における遺言書の保管等に関する法律」により、自筆証書遺言を法務局に預ける制度が始まりました。これを利用すれば、家庭裁判所での検認を経ずに相続手続きが可能です。
ただし、公正証書遺言の場合は公証人と二人以上の証人が必要となり、日程の調整に時間がかかることもあります。お母様に万が一のことが起こる前に備えるためにも、早めに専門家へ相談し証人の依頼を進めておくことが重要です。
四日市にお住まいの方々にとっても、遺言書の有無は相続手続きを大きく左右します。相続人同士の争いを防ぎ、故人の意思を尊重するためにも、まずは遺言書の準備をご検討ください。
私ども三重相続遺言サポートセンターでは、四日市地域での遺産相続に関するご相談を数多く承っております。初回相談は無料ですので、相続や遺言書の作成に関して少しでもご不安がある方は、どうぞお気軽に三重相続遺言サポートセンターへお問い合わせください。
2025年08月04日
Q:遺言書に記載すれば内縁の妻に全財産を渡すことは可能か司法書士の方に伺います。(四日市)
60代の私は離婚歴があり、現在は3年ほど前から籍をいれていない50代の内縁の妻と四日市で暮らしています。離婚した元妻との間には子供が1人いますが、前妻と子供は四日市には住んでいないこともあって離婚してからは一度も会っていません。今のところ内縁の妻とは籍を入れる予定はありませんが、今年に入って入院したことをうけ、なんとなく相続について調べるようになりました。
私の遺産については、前妻には相続権はなさそうですが、このままだと内縁の妻にも相続権がないようです。内縁の妻には本当に世話になっていて、入院した際も献身的に看病してくれたり、精神面で色々と支えてもらってます。今後どうなるかはわかりませんが、今の気持ちでは内縁の妻に全財産を渡したいと考えています。財産の渡し先を遺言書に記載すれば内縁の妻に全財産を渡すことは可能ですか。(四日市)
A:遺留分のある御子息にも配慮して遺言書を作成しましょう。
このまま特に対策を講じなければ、内縁の妻には1円の財産も渡ることはありません。現在のご状況ではご相談者様の相続人はご子息になり、内縁の妻には相続権がありませんので、遺言書を作成するようにしましょう。遺言書を作成することで、相続人ではない方に「遺贈」として財産を渡すことができます。
遺言書には3種類ありますが、確実に遺贈できる「公正証書遺言」での作成をお勧めします。公正証書遺言は、公証人が遺言の内容を本人から聞き取って作成するので、方式に間違いのない遺言書になります。また、原本は公証役場で保管されるので、紛失や改ざんの心配がありません。
また、相続手続きの際に内縁の妻が困らないためにも「遺言執行者」を指定して、遺言内容を確実に執行してもらうと良いでしょう。
ただし、いくら遺言書を作成したとしても御子息には「遺留分」がありますので、遺留分に配慮した内容にする必要があります。法定相続人である御子息は、法律において、相続財産の一定割合を受け取れるように定められています。したがって、「内縁関係の妻に全財産を遺贈する」という内容では、御子息の遺留分を侵害していることになり、もし御子息が内縁の妻に遺留分侵害額を請求した場合、裁判沙汰になりかねません。このような事態を避けるためにも、遺言書作成の時点から両者に配慮した内容で遺言書を作成するようにしましょう。
三重相続遺言サポートセンターでは、四日市のみならず、四日市周辺地域にお住まいの皆様から相続手続きに関するたくさんのご相談をいただいております。
相続手続きは慣れない方にとっては複雑な内容となり、多くの時間を要する手続きになるかと思われます。三重相続遺言サポートセンターでは四日市の皆様のご相談に対し、最後まで丁寧に対応させていただきますので、安心してご相談ください。また、三重相続遺言サポートセンターでは四日市の地域事情に詳しい相続手続きの専門家が、初回のご相談を無料にてお伺いしております。
四日市の皆様、ならびに四日市で相続手続きができる司法書士および事務所をお探しの皆様にお目にかかれる日をスタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
2025年07月02日
Q:相続財産である不動産の均等な分け方について司法書士の先生にお伺いします。(四日市)
司法書士の先生に四日市に住む父の相続のことでご相談があります。父は持病が悪化して四日市の病院に入院していましたが、治療の甲斐なく72歳で亡くなりました。相続人は私と弟2人の計3人になると思います。私は長男で、父とは同居はしていませんでしたが、通える距離に住んでいました。兄弟仲は悪くないのですが、それぞれの道を歩むようになってからは疎遠であったと思います。今回の相談というのは、父が所有していた相続財産の内容についてです。遺産には現金はあまりなく、他は代々受け継いできた四日市郊外にある不動産と自宅です。相続人3人で、これらの遺産をどうやって分けたらいいのか分からず悩んでいます。そのまま「自宅、郊外の不動産、現金」というように分けると、現金を引き継いだ者がかなり損をすると思います。(四日市)
A:相続財産を不動産が占める場合の分け方についてご説明します。
ご家族が亡くなり、相続が開始されましたら、まず故人(被相続人)が遺言書を残していないか探してみましょう。相続手続きでは、遺言書の有無でその後の手続きが大きく変わります。遺言書のある相続では、遺言書の内容に沿って遺産分割を行えばいいので、遺産分割協議を行う必要はありませんし、遺産分割協議書も作成しません。
今回は遺言書がないと仮定してご説明します。
被相続人がお亡くなりになったあとの財産は、相続人の共有となります。そのため、遺産分割を行わなければそれぞれで処分することはできません。相続財産を分けるため、遺産分割協議を行う必要がありますが、その前に相続財産のご自宅と不動産の評価を行いおおよその金額を出してから、遺産分割協議を進めるようにしましょう。
【現物分割】遺産をそのまま分割する方法です。例えば、Aが自宅、Bが不動産、Cが現金といった分け方になります。それぞれの不動産評価ならびに現金が全く同じ評価とはならないため、相続人全員が納得しないようであればお勧めしません。
【代償分割】特定の相続人が被相続人の遺産を相続し、他の相続人に対して相続相当額の代償金ないし、代償財産を支払うことで平等とする方法です。相続財産であるご自宅に相続人が住んでいる場合などに有効な方法ですが、財産を相続した相続人は代償金用の現金ないし財産を持ち合わせている必要があります。
【換価分割】相続財産の不動産を売却して現金化してから、相続人で分割する方法。相続した不動産が必要無い場合などに有効です。
三重相続遺言サポートセンターでは、四日市のみならず、四日市周辺地域にお住まいの皆様から相続手続きに関するたくさんのご相談をいただいております。
相続手続きは慣れない方にとっては複雑な内容となり、多くの時間を要する手続きになるかと思われます。三重相続遺言サポートセンターでは四日市の皆様のご相談に対し、最後まで丁寧に対応させていただきますので、安心してご相談ください。また、三重相続遺言サポートセンターでは四日市の地域事情に詳しい相続手続きの専門家が、初回のご相談を無料にてお伺いしております。
四日市の皆様、ならびに四日市で相続手続きができる司法書士および事務所をお探しの皆様にお目にかかれる日をスタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
2025年06月10日
Q:どの遺言書がいいか司法書士の方に教えていただきたい。(四日市)
四日市在住の男性です。今まで特に大きな病気はしていませんが、先日70になったので、生前対策とやらをしておこうと思い、遺言書の作成を検討し始めました。検索してみると遺言書にはいくつか種類があるようで、何がいいのか素人目にはさっぱりわかりません。私の財産は、四日市にある自宅と、四日市市郊外の不動産がいくつかと多少の預貯金です。先日友人が、遺言書は元気なうちに作成したほうがいいよと言っていたのを思い出し、遺言書作成について特に遺言書の種類について教えていただけますでしょうか?安心な老後生活を送るためにもぜひお力添えをお願いします。(四日市)
A:遺言書の普通方式には3種類あります。
相続では原則、法定相続分の割合よりも遺言書の内容が優先されます。遺言書では、ご自身の財産を誰にどのいくらい相続させるか等、自由に決める事ができます。ぜひお元気なうちに遺されたご家族のためにも極端に偏った内容を避けて作成してみましょう。
ご相談者様の所有されている財産は不動産が多いため、相続財産の金額が高くなる可能性があります。このような相続では、遺言書が無いと相続人同士で揉める事があります。しかし遺言書があれば、相続人はその内容に沿って相続手続きを行うことになりますので、トラブルに発展しやすい遺産分割協議を行う必要がありません。
ただし、遺言書は判断能力に問題のない方でないと作成することはできませんので、ご相談者様がお元気なうちに、偏りのない内容の遺言書を作成しましょう。
次に、遺言書の種類と簡単な解説を致します。
遺言書(普通方式)には以下のような3種類があります。
①自筆証書遺言
遺言者がご自身で本文を書き、署名、押印します。お好きなタイミングで作成でき費用も掛からず手軽ですが、遺言の方式を守らないと無効となってしまいます。また、財産目録は本人以外の者がパソコンで作成し、通帳のコピー等を添付することが可能です。また、法務局で保管されていない自筆証書遺言は、開封時に家庭裁判所において検認の手続きが必要となり、勝手に開封すると罰金が課せられます。
②公正証書遺言 2人以上の証人と遺言者が公証役場に出向いて、遺言者から内容を聞き取った公証人が作成します。原本は公証役場に保管されるため偽造や紛失の心配がありませんが、公証人他との日程調整が必要なのと、作成に際して費用がかかります。とはいえ、法律のプロである公証人が作成するため方式についての不備がなく、間違いのない確実な遺言書です。
③秘密証書遺言 遺言者が自分で遺言書を作成し封をして公証役場に持ち込みます。公証人が「遺言書の存在」を証明します。本人以外が遺言の内容を知ることはありませんが、ゆえに方式不備で無効となる危険性があるため、利用される方はあまりいません。
三重相続遺言サポートセンターは、相続手続きの専門家として、四日市エリアの皆様をはじめ、四日市周辺の皆様から多くのご相談、ご依頼をいただいております。
三重相続遺言サポートセンターでは、ご依頼いただいた皆様の相続手続きについて、四日市の地域事情に詳しい司法書士が親身になってサポートさせていただきます。まずは三重相続遺言サポートセンターの初回無料相談をご利用のうえ、お気軽にご相談ください。三重相続遺言サポートセンターのスタッフ一同、四日市の皆様、ならびに四日市で相続手続きができる事務所をお探しの皆様からのご連絡を心よりお待ち申し上げます。
2025年05月02日
Q:司法書士の先生、離婚した前の夫に私の財産の相続権はありますか?(四日市)
私は四日市で飲食店を営んでいる女性です。年を重ね、近頃では体調に不安を感じる日も増えてまいりましたので、そろそろ相続のことも考え始めなければならない段階にあると感じています。
この四日市の店は私の大切な財産ですので、長年にわたり共に店を切り盛りしてきた内縁の夫に受け継いでもらいたいと考えています。内縁の夫は2周り近く年下ですので、私の亡き後も引き続き四日市の店を守ってくれると思います。店だけでなく、私の財産はすべて内縁の夫に渡したいというのが私の願いです。
ただ、内縁の夫が財産をすべて受け取れるのかどうか不安があります。というのも、私には離婚歴があります。私には子がおりませんので、死後に私の財産を受け取る人として思い浮かぶのは、内縁の夫と、離婚した前の夫くらいしかおりません。司法書士の先生、離婚した前の夫に私の財産を相続する権利は残されているのでしょうか?(四日市)
A:法律上の婚姻関係にある配偶者でなければ相続人になることはありません。
四日市のご相談者様は、「内縁の夫と離婚した前の夫、どちらに相続権があるか」という点にお悩みですが、残念ながら現状ではどちらも相続人ではありません。
相続では、被相続人(亡くなった方)の配偶者は常に相続人となりますが、これは法律上の婚姻関係にある人に限られます。離婚により婚姻関係を解消した前の夫は相続人ではないのはもちろんのこと、入籍していない内縁関係の夫もまた相続人になることができないのです。
まずは法定相続人の範囲と順位を確認していきましょう。
- 配偶者:常に相続人
- 第一順位:直系卑属である子(孫)
- 第二順位:直系尊属である父母(祖父母)
- 第三順位:傍系血族である兄弟姉妹
上位の順位に該当する人がいない、またはすでに死亡している場合にのみ、直下の順位の人が相続人となります。上位の順位に該当者がいる場合は、下位の順位の人は相続人ではありません。
もしも第一順位から第三順位まで誰も該当者がいない場合には、内縁の夫が「特別縁故者に対しての財産分与制度」によって、ご相談者様の財産の一部を受け取ることができるかもしれません。この制度を利用するには、内縁の夫が自ら家庭裁判所へ申立て、特別縁故者として認められる必要があり、非常に手間のかかる手続きとなります。
四日市のご相談者様のご意向としては、内縁の夫に財産を渡したいとのことでしたので、ご本人が生前のうちに遺言書を作成することをおすすめいたします。
遺言書を作成することにより、「遺贈」という、相続人以外に財産を渡すことが可能となります。内縁の夫に財産を渡すという意思が明確であるのならば、遺贈の旨を記した遺言書を、公正証書遺言という確実性の高い形式で作成されるとよいでしょう。遺言書の中で「遺言執行者」を指定しておくこともおすすめです。
相続のルールは法律で厳格に定められています。遺された大切な方が困ることのないよう、相続の専門家からアドバイスを受けながら、生前のうちにしっかりと対策しておきましょう。
三重相続遺言サポートセンターは初回無料相談を実施中です。四日市の皆様はぜひお気軽に三重相続遺言サポートセンターまでお問い合わせください。

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